海谷渓谷エリア
海底火山の大断面
素朴なたたずまいを見せる海谷渓谷は、フォッサマグナが海だったころ (約300万年前)にできた海底火山噴出物(海川火山岩類)を刻んでできあがりました。切り立った壁には、海底火山の内部構造(火山灰や溶岩が流れたあと)がよく保存されています。三峡峠から眺められる千丈ヶ岳の大岩壁には、左方へ傾く地層がよくわかります。展望台のほぼ目の高さに、「ぜんまい地蔵」と呼ばれる浸食によってできた奇岩があります。
海川の上流域には砂防施設が一切なく、川の浸食作用と堆積作用が自然のままですすんでいる数少ない渓谷です。海谷高地(732高地)と呼ばれる広い川原は、1597(慶長2年)の地すべりによって、せき止められてできた湖沼が埋め立てられたものです。季節ごとの新緑と深緑、紅葉が渓谷を美しく変え、ハイカーたちの目を楽しませています。

3千丈ケ岳の大岩壁

展望台から見える巨大な岩の壁が「千丈ケ岳の大岩壁」です。岩壁をよく見ると縞模様になっています。これは、海底火山から流れ出た溶岩や火山灰が、何度も積み重なっているため縞模様に見えるのです。この地層の厚さは、なんと1,600mもあり、大岩壁の高さは約600mあります。

ぜんまい地蔵
千丈ヶ岳の岩壁に、ぜんまいのような形をした岩があります。この岩は「ぜんまい地蔵」と呼ばれ、この地を旅する人たちの安全を見守っているかのようです。
4鉢山

鉢を伏せたような形から名付けられました。かつての海底火山のマグマの通り道で、この山は地下の浅いところでマグマが冷えて固まったヒン岩という岩からできています。
5駒ヶ岳

標高1,487mで、海底火山から流れ出た火山噴出物が隆起してできた山です。鬼ヶ面山(1,591m)、鋸山(1,631m)とあわせて「海谷山塊」と呼ばれ、駒ヶ岳から尾根伝いに雨飾山までつながっています。

海谷渓谷の散策
駒ヶ岳山麓一帯には、ブナ林が広がっています。ブナの森とその土は、緑のダムとして多くの水を貯えています。また、森の土の栄養分は、雨水によって川・海に運ばれて海の生物を育てています。ブナ林を散策し、澄みきった自然を体感してみてはいかがでしょうか。
ひとくち情報
【林道東山線】
令和7年5月まで冬季閉鎖。
【県道上町屋釜沢糸魚川線】
来海沢地すべり災害による、県道上町屋釜沢糸魚川線(来海沢~御前山間)の通行止めは解除となりました。
引き続き、地すべり感知機器の作動及び雨量による通行規制を行いますので、通行の際は十分にご注意をお願いします。
※通行止めの場合は、県道上町屋釜沢糸魚川線根知地区方面からお越しください。なお、段差、急カーブ、対向車に注意しながら徐行してください。
【海谷高地】
◇海谷高地への道中、海川を渡河します。増水しているときは、危険ですので絶対に渡らないでください。
【駒ヶ岳】
◇駒ヶ岳から雨飾山への縦走する登山道は、はしごやロープで登るところもあり、上級者向けルートです。
【海谷三峡パーク】令和6年11月8日から冬期閉園
◇海谷渓谷の入り口にあり、海谷高地へのハイキングや駒ヶ岳(標高1,487m)を登る起点です。
キャンプ場には、テントサイトや広場、炊事棟があり、施設は無料で利用できます。
展望台からは迫力ある千丈ケ岳の大岩壁を見ることができ、日本海も望める絶好のロケーションが自慢です。
※令和6年11月7日(土)から令和7年5月上旬まで冬期閉園
問合先:西海地区公民館 TEL.025-552-0268