栂海新道エリア
日本海とアルプスをつなぐ
登山道
標高3000mの北アルプスと海岸(0m)をつなぐ栂海新道は、世界でも珍しい登山道です。地元の山岳会「さわがに山岳会」が10年の歳月を費やし、1971(昭和46)年に完成させました。この登山道は、学術的にもたいへん魅力的です。登山道は、新生代の貫入岩、中生代(白亜紀・ジュラ紀)の地層、古生代の変成岩や蛇紋岩などを通過し、菊石山ではジュラ紀のアンモナイトやシダ植物が見つかります。地質の変化に応じて、さまざまな山容の変化が楽しめます。
植物は、低山・深山・亜高山・高山帯への変化が追え、氷河期の生き残りである高山植物の群落も多くあります。登山道には、白鳥小屋・栂海山荘・朝日小屋があり、全行程2泊3日です。日本海に手を伸ばす能登半島、日本の屋根・北アルプスが見渡せる絶景の登山道です。
3朝日岳
大蓮華山(白馬岳)群の一山で、山頂西側には風あたりが強いなだらかな丘陵が広がり、東側はハイマツにおおわれています。山頂は堆積岩で、北東側は大部分が蛇紋岩からなっています。東面の登山道沿いには北限のウルップソウや蛇紋岩帯特有の高山植物をみることもできます。
高山植物
ハクサンフウロ
海岸の暖温帯から高山の亜寒帯までの植生変化が確認できます。黒岩平~アヤメ平にかけては積雪量も多く、標高1,600mの低位に高山草原や高層湿原が広がり、ヒオウギアヤメ・チングルマ・ミズバショウの大群落もみられます。開花期はまさに百花繚乱の桃源郷のようです。
化石
アンモナイトの化石(菊石山)
栂海新道の化石はジュラ紀の来馬層群のもので、最初にアンモナイトが発見された山を菊石山と呼んでいます。白鳥山南斜面では、二枚貝や植物化石が多く発見されています。白鳥山北部の手取層群からは、糸魚川ではまだ見つかっていない恐竜化石の発見があるかもしれません。
さわがに山岳会
1961(昭和36)年、栂海新道の開拓を目標に7人のグループでスタートしました。その後、10年をかけて27㎞もの栂海新道を開通させました。
ひとくち情報
【山姥線】
(ア)起点(橋立上路線分岐)~坂田峠駐車場 通行可
(イ)坂田峠駐車場~山姥登山口駐車場 通行不可
※山姥登山口について
法面崩落のため、山姥登山口まで行くことはできません。
【栂海新道】
◇日本海から3,000メートル級の北アルプスの山々を結ぶ登山道。高低差があり、道のりも長く、上級者向けのルートです。
詳しくは糸魚川登山ガイドをご覧ください。
※栂海山荘、白鳥小屋は小屋閉めしました。小屋開けは6月上旬予定。