ジオパークと
ESD・SDGs
Geoparks and Education for Sustainable DevelopmentSustainable Development Goals
ESDは“Education for Sustainable Development”の略で、「持続可能な開発のための教育」と訳されますが、非常に漠然としていてイメージしにくいかもしれません。
そこで、ESDを達成するための具体的な目標として、2015年の国連サミットでSDGs(Sustainable Development Goals)が定められました。SDGsは、「持続可能な開発目標」という意味です。2030年までに達成を目指す世界共通の17の目標で、その下に具体的な169のターゲットがあります。
地球上の誰一人として取り残さない、世界中のすべての人々が幸せに暮らす世界をつくるための目標です。
最近では、ジオパークだけではなく日本の企業などもSDGsを積極的に取り入れるようになってきました。いま世界中の人々が同じ目標に向かって取り組んでいます。
SDGs×糸魚川ユネスコ
世界ジオパーク
ユネスコは、国際連合の教育科学文化機構であり、ジオパーク活動にもSDGs達成にむけた貢献が求められています。糸魚川ジオパークでは、様々な活動を通じて、SDGsの普及と啓発、そして実践に取り組んできました。
保護・保全
貴重なトンボを守るため、地元有志と県立糸魚川白嶺高校が協力してブラックバスを駆除。糸魚川ジオパークの豊かな自然を次の世代へ伝える取組です。
田海ヶ池のブラックバス捕獲作戦
地域振興
ジオツーリズムによって、働きがいと経済効果を実現します。お食事や宿泊などで稼いだお金は、地域に元気を与えます。
ジオパークガイド&ツアー
防災教育
焼山の火山活動について、現地を見て、触れて、体験します。ジオパークを通じて、大地と人の歴史を知り、防災を学びます。
新潟焼山の防災教育
高校生向けに講義を開催
学習指導要領の改訂にともない、糸魚川高等学校では、1年生(151人)を対象とする「総合的な探求の時間」を2019年度から開始しました。テーマは「SDGs(持続可能な開発目標)」。まだまだ聞き慣れない言葉なので、生徒たちから理解してもらうにはどうすればよいかと考えた結果、糸魚川に住む彼らにとって身近なジオパーク活動と絡め、全3回(2019年6月19・20日、7月11日)にわたって講義を行いました。
講師は糸魚川ジオパーク協議会のメンバーが務め、初日の6月19日はSDGsの概要のほか、教育や地域振興との関わりを紹介。翌20日は、地域資源の保護保全と防災について話したあと、ワークシートを使って生徒たちから「自分が最も大切だと思う開発目標」について考えてもらいました。最終回となる7月11日は、前回の授業で作成したワークシートをもとにグループワークを行い、「高校生としてできること」、「一人ひとりができること」について意見や考えをまとめた後、活発に話し合っている姿勢が印象的でした。
「SDGs(持続可能な開発目標)」を達成するには、一人ひとりの意識と行動が大切です。今回の授業では、そのことに気付いていただけたのではないでしょうか。高校生ならではの目線で、これからも積極的に活動してほしいと思います。
ESD×フォッサマグナ
ミュージアム
2020年、糸魚川ユネスコ世界ジオパークの基幹施設であるフォッサマグナミュージアムが、地域ESD活動推進拠点に登録されました。ESD(持続可能な開発のための教育)を達成するため、糸魚川ユネスコ世界ジオパークをフィールドとしたESDやSDGsに関係する社会教育プログラムの企画と実施、博物館として地域に密着し、住民が必要とする情報の収集と発信、理科教育センターと連携した教職員や生徒向けの教材の開発など、糸魚川や日本、世界に貢献できる活動を推進します。