糸静線と塩の道
(北部)
エリア
巨大断層に沿う塩の道
日本列島を東西に二分する糸魚川-静岡構造線(糸静線)は、フォッサマグナの西縁を境する大断層です。断層はほぼ姫川に沿いますが、根小屋-北小谷間は、姫川東の山間部を通ります。断層に沿って地すべりや地形的凹地が生じた結果、断層に沿ってなだらかな勾配の地形ができました。これらの低地を結んで、塩の道(国史跡)ができました。姫川は、土石流や洪水をたびたび起こす暴れ川であるため、道をつくるのは困難で危険だったからです。
越後からは海産物が、信州からはタバコや穀類が往来しました。道に沿うウトウと呼ばれる切り通しは、道の勾配をゆるく調整するために人工的につくられたものです。道標・茶屋跡などがあり、雑木林の中にかつての交易路の遺跡を見つけることができます。
フォッサマグナパークでは、糸静線の断層露頭や枕状溶岩が見学でき、フォッサマグナの生い立ちについて学習できます。

1フォッサマグナパーク(断層露頭)
フォッサマグナパークは、糸魚川-静岡構造線を人工的に露出させた断層見学公園です。断層破砕帯をはさんで、東側の約1600万年前の岩石(右手)と、西側の約2億7000万年前の岩石(左手)が接しています。
2018(平成30)年8月にリニューアルオープンし、大地の境界をよりダイナミックにわかりやすく見学できるようになりました。
3枕状溶岩

枕状溶岩の横断面
枕が積み重なったような模様がある溶岩で、水中で流れだした証拠となります。立体的には、チューブ状の溶岩が何本も重なったものです。枕状溶岩の上に重なる地層から、海にすむ二枚貝の化石が発見されており、当時は海底だったことがわかっています。

車石(日本最大級の枕状溶岩)
フォッサマグナパークの遊歩道沿いには、直径12mの巨大な枕状溶岩があります。溶岩の割れ目がちょうど車輪のように見えます。
※落石の可能性があるため、一部しか見学できません。
5カンパ地蔵

カンパとは、子どもの頭などにできる皮膚の病気のことで、カンパ地蔵はそれを払うために祀られています。霊験あらたかなお地蔵様として信仰をあつめています。
ひとくち情報
■フォッサマグナパーク駐車場
国道148号の駐車場は増設工事中ですが、引き続きご利用になれます。
国道148号沿いの駐車場のほか、遊歩道の東側にある「下根知農村公園」にも駐車場があります。
詳しくはこちらをご確認ください。
【フォッサマグナパーク】12月2日~令和7年春まで冬期閉園
◇フォッサマグナの西端を通る「糸魚川-静岡構造線」断層と国内最大級の枕状溶岩(市指定文化財)を間近で見ることができます。令和3年3月「糸魚川市根知の糸魚川-静岡構造線」が国の天然記念物に指定されました。
所在地:糸魚川市根小屋2482
問合先:025-553-1880(フォッサマグナミュージアム)
※フォッサマグナパークとフォッサマグナミュージアムは別の場所にあります。カーナビ等でお越しになる際は電話番号で検索しないようご注意ください。
【ねちKOYA(こや)】
フォッサマグナパーク駐車場となりの直売所で、郷土料理の「笹寿司」をはじめ、地元産野菜や工芸品などを販売しています。
・開店日 令和6年4月21日より毎週日曜日(午前8時~午後12時)
※冬季は営業していません。
・問合先 根知地区公民館 TEL.025-558-2002
【渡辺酒造「豊醸蔵」】
2018年にオープンした直売所兼酒蔵、JR大糸線根知駅から徒歩12分(850m)
・問合先 TEL.025-558-2006
【塩の道(北部)】
糸魚川と長野県松本地域を結ぶ古道「松本街道」の北部ルート(大野地区から根知地区)です。大野の中山峠から根知入口までの約1.5キロメートルが国の史跡に指定されています。