姫川、糸魚川-静岡構造線とフォッサマグナに関係するエリア

姫川渓谷 大隆起山地の侵食・削剥

概要

 姫川渓谷は、姫川が隆起する大地を激しく削ってできた、深さ200m~500mの渓谷です。長野県境にある葛葉峠一帯では、姫川渓谷で起こっている崩壊・削剥(さくはく)・浸食現象がよく見学できます。葛葉峠自体が、姫川右岸の真那板山(1,219m)からの崩落地塊(姫川河床から高さ150m、面積1km×500mの台地状の小山)です。この崩落地塊は、非常に脆弱な古生代の岩石(ペルム系)でできており、これらが、ほぼ水平な粘土化を伴う角礫岩帯を境に、しっかりとしたペルム系の上に乗っているのが観察できます。また、葛葉峠崩落時にできた湖沼に堆積した粘土層が崖錐堆積物にはさまれて観察できます。粘土層から産した材化石から、峠の崩落は約500年前と約1,000年前と推定され、姫川渓谷の浸食の速さを知ることができます。また、姫川支流蒲原沢では、1996(平成8)年に蒲原沢土石流災害が起こり、犠牲になった14名の慰霊碑が建っています。

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葛葉峠 ボッカトチノキ 蒲原沢土石集災害慰霊碑 7.11水害 平岩駅

1.葛葉峠くずはとうげ


葛葉峠

 姫川に沿って、糸魚川市の平岩集落から長野県境間にある峠。かつては松本街道(塩の道)の難所として知られました。この一帯は、近くの真那板山まないたやまから崩れてきたもろい岩石でできています。約500年前と約1,000年前に2回崩落が起き、川がせき止められて湖ができました。この土砂ダムは、姫川の流れによって削られて深い谷をつくりました。

2.ボッカトチノキ


ボッカトチノキ

 葛葉峠にあるトチの木で、糸魚川市の文化財に指定されています。目通り幹囲は4.5m、枝張り約21m。塩の道沿いにあり、荷を運ぶボッカ(歩荷)の道標や休憩所となっていたことから、このように呼ばれています。

3.蒲原沢がまはらざわ土石流災害


国界橋のたもとにある
蒲原沢土石流災害慰霊碑

 蒲原沢は長野県小谷村と新潟県糸魚川市との境界の沢です。1995(平成7)年の7.11水害では2年前に完成したコンクリート橋が土石流で流出。復旧工事中の翌年12月には蒲原沢土石流が発生し、犠牲者を出しました。

4.7.11水害


平成7年7月11日の水害の様子

 姫川は全国で有数の水質の良い河川です。一方、急流河川でもあり、水害も多く発生しています。1995(平成7)年7月11日、上流の長野県小谷村では、雨量が24時間で300mmを超えました。姫川は一気に増水して洪水や土砂崩れが発生。平岩周辺では路線が宙づりになり、国道148号も土砂くずれで大きな被害を受けました。さらに動植物などの生態系にも影響を与えました。

平岩駅

 平岩駅は、糸魚川と松本を結ぶ大糸線の駅です。のんびりと走る車窓からは、姫川渓谷のさまざまな姿を見ることができます。

 蓮華温泉行きのバスの乗換駅であり、白馬登山の入り口でもあります。


姫川渓谷エリアへの行き方

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